EVバイクの魅力と課題:なぜ普及しないのか?徹底解説!

結論 EVバイクは面白い、しかし欠点があまりにも大きい

EVバイクはガソリンバイクとは異なる魅力的な特徴を持っています。一方で、コストパフォーマンス、航続距離、バッテリーの信頼性、充電スピードといった点では、現時点では課題が残されています。本記事では、EVバイクが抱える課題と、その一方で魅力的な点について、詳しく解説していきます。

EVバイクの主な弱点

航続距離が短い

EVバイクの最大の課題は、なんといっても航続距離の短さです。ガソリンバイクの燃料警告灯が常に点灯しているような感覚に陥り、ライダーは常に残りの走行距離を気にせざるを得ません。この不安感は、ツーリングはもちろん、日常的な利用においてもストレスとなり、EVバイクの普及を妨げる大きな要因となっています。例えばカワサキの「Ninja e-1、Ze-1」公式サイトでは

Q、Ninja e-1、Z e-1は一充電につき、走行距離55キロと発表されています。これは何個のバッテリーでの走行距離ですか。

A、Ninja e-1、Z e-1はバッテリーを2つ搭載しており、バッテリー2つでの距離となります。

https://faq.kawasaki-motors.com/faq/show/15?category_id=54&site_domain=default#:~:text=30%2016%3A53-,Ninja%20e%2D1%E3%80%81Z%20%EF%BD%85%2D1%E3%81%AF%E4%B8%80%E5%85%85%E9%9B%BB,%E3%81%AE%E8%B5%B0%E8%A1%8C%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B%E3%80%82

となっています。

充電時間の長さ

EVバイクのバッテリー充電時間は、ガソリン車に比べて大幅に長くなります。例えばカワサキの「Ninja e-1、Ze-1」の公式サイトでは、

バッテリー1個あたりの充電時間は、0%から100%のフル充電で約3.7時間。 20%から85%の部分充電で約1.6時間、20%から100%で約3時間です。

https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/hybrid-electric/ev/ninja-e-1

となっています。このように長距離ツーリングや急な充電が必要な場合、充電時間の短さが課題となります。航続距離の短さとの相乗効果で、EVバイクの普及を阻む要因の一つと言えるでしょう。

バッテリーの安全性

電気自動車や電動バイク(EV)全体に共通する懸念の一つに、バッテリーの安全性があります。メディアでは、ごく一部のEVの発火事故が大きく取り上げられるため、EVに対する不安感が根強く残るのも無理はありません。特にEVバイクに多く採用されている三元系リチウムイオン電池は、物理的な衝撃や過充電などに弱く、発火のリスクが高いという特徴があります。この課題を克服するための技術開発が求められています。

バッテリーの劣化

EVバイクのバッテリーは、一般的に「三元系リチウムイオンバッテリー」が使われています。このバッテリーの寿命は、およそ

ライフサイクル数(80%まで) 三元系バッテリー700~1000

https://allpowers.jp/blogs/catalog/battery-comparison?srsltid=AfmBOorRjz5M7BEUctm5l_1IMIdO4–cvjkkhzPXqV0EaLJk-z-nVeOG

となっています。つまり、毎日1回充電した場合、約2~3年でバッテリーの性能が80%まで低下し、交換が必要になるケースも考えられます。2日に1回の充電であれば、約5年と寿命は延びますが、一般的な時間バイクを使用している場合でもバッテリー交換費用が発生し、EVバイクの大きなランニングコストとなるでしょう。

車両コストの高さ

EVバイクのコストは、同クラスのガソリン車と比較すると高額であるという印象を受けがちです。例えばカワサキの「Ninja e-1、Ze-1」それぞれメーカー希望小売価格が

Ninja e-1 メーカー希望小売価格 1,067,000円

Ze-1 メーカー希望小売価格 1,012,000円

https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/hybrid-electric/ev/ninja-e-1/2024-ninja-e-1
https://www.kawasaki-motors.com/ja-jp/motorcycle/hybrid-electric/ev/z-e-1/2024-z-e-1

と125CCの国産スポーツバイク

CB125R メーカー希望小売価格 528,000円

YZF-R125 ABS メーカー希望小売価格 517,000円 [消費税10%含む]

GSX-R125 ABS メーカー希望小売価格(消費税10%込み)453,200円

https://www.honda.co.jp/CB125R/type/
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/yzf-r125/spec.html
https://www1.suzuki.co.jp/motor/lineup/gsxr125rlmm3/?page=style

と比較して、およそ2倍の価格となっています。補助金を利用すれば50万円台で購入できる場合もありますが、補助金に頼らざるを得ない状況や、他の面での課題も存在するため、コストパフォーマンスという点では疑問が残ります。

EVバイクの課題:克服すべき5つのポイントまとめ

現在、EVバイクはいくつかの課題を抱えています。具体的には、

航続距離の短さ: 一回の充電で走行できる距離が短い。
充電時間の長さ: バッテリーを満充電にするまでに時間がかかる。
バッテリーの安全性: 火災などのリスクが懸念される。
バッテリーの劣化: 長期的な使用による性能低下。
車両コストの高さ: ガソリン車に比べて高価。
これらの課題が完全に解決されていないため、EVバイクの普及にはまだ課題が残されています。

EVバイクの主なメリット

EVバイクには、まだまだ課題も多いかもしれません。しかし、ガソリン車にはない多くのメリットも存在します。私は、将来的にすべての移動手段が電気化される未来を確信しています。なぜそう思うのか。EVバイクのメリットを解説していきます。

エネルギー効率の良さ

EVバイクにすべて置き換わると確信している最も大きな根拠はエネルギー効率の良さです。その理由をイェール大学の気候に関する広報サイト・Yale Climate Connectionsがまとめています。

地質学や気候学関連のライターであるカリン・カーク氏によると

ガソリン車の内燃機関が最終的に車輪の動力になるのはガソリン全体の16~25%に過ぎません。ガソリン車より効率的なディーゼルエンジンでも60%程度のエネルギーが熱などで失われていると述べています。

一方、電気自動車はガソリン車とはまったく異なるシステムで推進されます。電気自動車は駆動部品に到達せずに失われるエネルギー損失は31~35%にとどまっており、回生ブレーキによるエネルギー回収率が22%となっているため、総合的には充電エネルギーの87~91%が車輪を動かすために使われるとのべています。

https://yaleclimateconnections.org/2022/08/electrifying-transportation-reduces-emissions-and-saves-massive-amounts-of-energy/
https://www.motortrend.com/news/evs-more-efficient-than-internal-combustion-engines/

つまり、充電エネルギーのほとんどが車輪を動かすために有効活用されているのです。この高いエネルギー効率は、バイクにおいても大きなメリットとなります。

同クラスを圧倒するEVバイクの加速力

同クラスのバイクと比較して、EVは圧倒的な加速性能を誇ります。その理由は、EVがモーター駆動であることにあります。モーターは、回転数に関わらず最大トルクを発揮するため、アクセルを踏んだ瞬間から強力な加速を得られます。一方、ガソリン車は、最大トルクを得るためにエンジン回転数を高める必要があり、加速にタイムラグが生じます。このため、EVは発進加速や追い越し加速において、ガソリン車を大きく引き離すことが可能です。

圧倒的に少ないメンテナンス

エンジン車に比べて、EVバイクは構成部品が少なく、多くの機能が電動化されているため、メンテナンスの頻度が大幅に減少します。具体的には、エンジンオイルやスパークプラグ、オイルフィルターの交換が不要なだけでなく、他の部品の交換サイクルも長くなっているものが多くあります。このため、EVバイクは長期間にわたって、少ない手間で乗り続けることができます。

エンジンの振動がそもそも存在しない

エンジンから発生する不快な振動はEVバイクにはありません。

同じ距離を走るとき、EVバイクの方が安い値段で走れる

電動バイクVSガソリン原付 コスト対決

想定使用条件
(1)1日の走行距離は20kmとする。
(2)ひと月の使用日数は20日間とする。
(3)ガソリン原付の想定燃費は50km/Lとする。
(4)ガソリンタンクの容量は平均的な4.6Lとする。
(5)レギュラーガソリンの価格は1L=150円とする。
(6)電動バイクが一度の充電で走れる距離は30kmとする。 

原付(ガソリン車)の場合
○ 満タン1回(4.6L)で走れる距離=4.6L×50km/L(燃費)=230km

○ ひと月の給油回数=400km÷230km(航続距離)=約1.7回

○ ひと月のガソリン使用量=4.6L×1.7=7.82L

○ ひと月のガソリン代=7.82L×150円=1,173円

電動バイクの場合
○ 一回の充電にかかる電気料金

=2.5円(充電一時間の電気代)×8h(満充電までの時間)=20円

○ ひと月の充電回数=400km÷30km=13.3回

○ ひと月の充電にかかる電気代=20円×13.3回=266円

★ランニングコストの試算結果★

ガソリン原付では月間1,194円
電動バイクでは月間266円
ひと月928円もお得!!その差はなんと約4.5倍!

https://www.bikebros.co.jp/vb/fifty/ev/evlife07/

これらの結果からわかることは、同じ距離を走るならEVバイクの方が断然お得であるということです。

メリットまとめ

現時点でEVバイクは、以下のメリットを備えています。

エネルギー効率の高さ
クラスを超えた加速感
メンテナンスの少なさ
エンジンの振動がない
低ランニングコスト
EVには課題も存在しますが、EVバイクはさらなる進化の可能性を秘めています。

全体まとめ 普及のカギはやはりバッテリー

今回は、「EVバイクの魅力と課題:なぜ普及しないのか?徹底解説!」と題し、EVバイクについて解説しました。私自身、EVバイクに興味を持っていましたが、コストパフォーマンスがネックとなり、導入を躊躇していました。しかし、EVバイクの技術革新は日進月歩であり、今後の発展が楽しみです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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